ハムストリングス徹底解説〜肉離れのリハビリテーション〜


#ハムストリングスのリハビリーテションについて


こんにちは! 株式会社アスレです。

定期的に身体のこと、怪我のことや対処の仕方、トレーニング/リハビリのことなどについて発信していきます。
練習やトレーニングを頑張るアスリートや健康のために運動しているすべての方に知ってほしいこと、知るともっと効率良く成果を得られる方法などをお伝えできればと思います!
ぜひ「身体」「運動」「トレーニング」などの知識を増やしていきましょう!

今回紹介するのは、最も発生が多い「ハムストリングスの肉離れに対するリハビリテーション」についてです!
発生直後の対応や競技復帰までの流れをご紹介致しますが、再発が多い怪我でもありますのでセルフチェックで不安がある場合は医療機関へ判断を仰ぐ方が安全です。
受傷後の一番の目的は「再発をしないこと」だと思います。そのためにも、受傷してしまった際には焦らずに治療を行い、リハビリテーション(以下リハビリ)を経て競技復帰を目指していきましょう。

#1 肉離れ直後(急性期)

受傷直後はアイシングや包帯などによる圧迫を行うことにより、受傷部の保護と炎症のコントロールを行うことが最優先になります。怪我の程度にもよりますが、受傷後3~5日間は炎症が発生しているためストレッチや筋力トレーニングも控えて安静にします。

左右で脚の同じ部位を触ってみて熱感があれば炎症状態であるため、その場合はアイシングを欠かさないようにしましょう。

#2 炎症が落ち着いてきたら(亜急性期)

受傷後3〜5日が経過し、炎症や痛みが落ち着いてきたらリハビリを開始しても大丈夫か確認した上で、慎重にリハビリを開始していきます。
まずはストレッチを行い、痛みを確認します。前回ご紹介した反動を使わないスタティックストレッチを行い、筋肉が引き伸ばされる感覚を痛みなく感じることができればリハビリを開始しても大丈夫だと判断できます。

・リハビリ実施
ストレッチで痛みを感じなければ、まずはストレッチからリハビリを開始していきます。肉離れの原因として、筋肉の疲労や「柔軟性の低下」が挙げられるため、まずは安静にしてそこから柔軟性の獲得を図ります。再発予防のためにも筋肉が軽く伸びる程度の強さでゆっくりと15~30秒間のスタティックストレッチを行い、これを3〜5回繰り返します。

肉離れは筋肉やその周囲(腱など)が損傷する外傷のため、受傷後は筋肉が弱っています。その状態で競技復帰 してもまたすぐに肉離れ再発を引き起こしかねません。そのため、筋力トレーニングは必須となります。トレーニングを行うことにより、再発防止だけでなく、受傷部に刺激が与えられることで血行が良くなり治癒を促進する効果も期待できます。
この時期に行えるトレーニングとしていくつか紹介いたします。

「ヒップエクステンション」
うつ伏せの姿勢から、膝を伸ばしたまま脚を床から離します。痛みが起こる直前か骨盤/腰あたりが浮き始める直前まで挙げて、ゆっくりと下ろしていきます。
「レッグカール」
うつ伏せの姿勢から膝をゆっくりと90°になるまで曲げていき、そこからゆっくりと下ろしていきます。

上記のトレーニングは受傷したハムストレングスをピンポイントで動かす種目でありまずは負荷なし、慣れてくればゴムチューブなどを脚に巻いて負荷を高めていきます。
受傷後2週間ほど経過したら、ハムストリングスをメインに動かす全身の協調性トレーニングにも取り組んでいきましょう。日常生活で痛みを感じず、「ヒップエクステンション」と「カーフレイズ」が問題なく行えるようであれば、床に脚をついて体重をかけた状態でのトレーニングに移行していきます。これにより、ハムストリングスと他の筋肉に同時に力を入れることになり、よりスポーツに近い動作でトレーニングを行うことができます。

「ヒップリフト」
仰向けで膝を90°曲げた状態でスタート。腰が反らないようにしながらゆっくりとお尻を挙げます。体幹部と大腿部が一直線になるとこまで挙げたら、ゆっくりと下ろしていきます。
両足が行えるようになれば片足で行い、負荷を上げてみましょう。
「スクワット」
両足を肩幅程度に開いて立ち、上半身を前に軽く傾けつつ股関節・膝関節を同時に曲げていきます。膝が45~90°曲がるところまでお尻を下げたら、ゆっくりと開始姿勢に戻ります。
膝を曲げる角度は45°からスタートして、徐々に深くしていきましょう。

#3 回復期

以上のようなストレッチ/トレーニングを痛みや不安感なく行えるようになれば、スポーツ復帰に向けた運動を開始していきます。まずはジョギングなどの軽い走行動作から始めて、痛くなければ負荷の高い筋力トレーニングやジャンプ、ダッシュなどそれぞれのスポーツに必要な動作を行い、完全復帰を目指します。
この時期でも急に強い負荷がハムストリングスにかかると肉離れを再発する恐れがあるため、ストレッチやセルフケアを怠ることなく徐々に負荷を上げていきましょう。

#4 再発予防

ハムストリングスの肉離れは走行中や切り返し動作の際に生じることが多いと言われています。原因としては、前述の通り筋肉の疲労、柔軟性低下の他に不適切な走るフォームが挙げられ、それを改善することで再受傷の確率を下げられる上にパフォーマンスも向上するとされています。
怪我をしてしまう際には受傷した部位そのものに何か問題があるのか、それとも全体的な動きのバランス・フォームに問題があることで負担が損傷部位に集中してしまっているのかということが整理できると非常に良いかもしれません。 そのためにも、常日頃からストレッチやセルフケアを狭い範囲だけではなく全身くまなく行えると良いですね !

#5 予告

次回は、ハムストリングスからテーマを変えて「骨と関節について」お伝えいたします!
ぜひ引き続きご覧ください!!



#参考文献
【1】森山英樹、(2016)、運動器疾患の病態と理学療法、東京都、医歯薬出版株式会社
【2】三上真弘、(2019)、リハビリテーション医学第4版、東京都、株式会社南江堂

投稿日: 2023年08月31日

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