こんにちは!株式会社アスレです。
1回目に引き続き、足首の捻挫について解説していきます。
前回紹介したように、捻挫とは “靱帯(じんたい)” が “損傷” している状態でしたね。
そのため捻挫後の処置が十分ではないと、捻挫を繰り返し、慢性足関節不安定症という状態になる可能性があります。
そうならない為に、今回は捻挫後の適切な処置方法について紹介していきます。
“RICE:ライス”
この言葉を聞いたことがあるでしょうか?
もしかしたら学校の保健の教科書にも載っている言葉かもしれません。
R=Rest:安静
I=Ice:冷却
C=Compression:圧迫
E=Elevation:挙上
捻挫に限らず、スポーツ中に怪我をした際に対応すべき内容のそれぞれの頭文字をとった言葉です。
基本的にはこのRICEを守って対応すれば良いとされてきました。
しかし最近では、早期に最適なスポーツ復帰を目指すアスリートに有効な方法として“POLICE:ポリス” が登場しました。
P=Protect:保護
OL=Optimal Loading:最適な負荷
I=Ice:冷却
C=Compression:圧迫
E=Elevation:挙上
それぞれの具体的な方法を解説していきます。
Protect:保護
捻挫後に装具(サポーター)などで固定することで、再受傷や悪化のリスクを下げることができます。
切り傷ができた時に絆創膏などを張って傷口を保護するのと同じです!
サポーターなどが手に入らなければテーピングなどで固定することも1つの方法です。
また痛みが強く体重をかけるのも難しい場合は、松葉杖をつき体重をかけないことも検討が必要です。
Optimal Loading:最適な負荷
適切なタイミングで適切な負荷をかけることで、最適な治り具合を得られるようにすることが目的です。
切り傷ができた後、かさぶたとなり、その周りの皮膚が固く突っ張ることを経験したことはないでしょうか?
同じように捻挫した後も、靱帯の周りでは傷ついた組織が固くなってしまいます。
そのまま放置するとスポーツ復帰後にも関節が固く、動かしにくい状態が続いてしまい、パフォーマンスが落ち、他の部位のケガへ繋がってしまう可能性があります。
そうならないために炎症が落ち着いたタイミングでストレッチなど少しずつ負荷をかけていく必要があります。
ただし早すぎる負荷は逆に状態を悪化させてしまうので、医師やトレーナーなど専門家の確認を受けることが必要です!
Ice:冷却
痛みを減らす、損傷した靱帯の周りに炎症が広がるのを防ぐことが目的です。
氷嚢(ひょうのう)やビニル袋に氷を平らに入れ、痛みのある部位に面で当てます。
時間は15~20分くらいが目安ですが、炎症で熱をもっている部位がしっかりと冷えているか確認し時間を増減させることをお勧めします。
ただし冷却材(アイスノンなど)を使用する場合は低温やけどにならないように注意が必要です!
Compression:圧迫
損傷した靱帯のまわりで起きた内出血や腫れ(はれ)を抑えることが目的です。
弾性包帯(バンテージなど)を使い、心臓から遠い位置から圧迫しながら巻きつけていき40分ほど安静にします。
冷却と組み合わせることでさらに効果が高まるので、捻挫直後は冷却20分と圧迫を交代で繰り返すことが重要です。時間が許す限り繰り返しましょう!
Elevation:挙上
損傷した靱帯の周りに起きる浮腫み(むくみ)などを抑えることが目的です。冷却と圧迫を繰り返している間に、自分の心臓より高い位置に挙上しておきます。
以上がPOLICEの内容です。
P、OLは病院もしくはチームのトレーナーに確認して対応してもらうことが必要です。
必ず相談するようにしましょう。
また捻挫した際に、衝撃が強いとふくらはぎの骨を骨折しているケースもあります。
足首を動かせない場合、強い痛みを感じる場合は必ず病院を受診し医師の診断を受けましょう。
I、C、Eは自分でも実施できる応急処置です。捻挫直後から実施することで腫脹(はれ)の引き方は大きく変わり、復帰までにかかる期間も短くなります!
「捻挫した!最悪や!とにかく練習休んで見学しておくか…」
ではなく、氷嚢と圧迫用の包帯を準備!できる対応を全力でやりましょう!
目安:アイシング20分-圧迫40分 ×3~5セット
次回、第3回では応急処置が終了した後、Optimal Loadingを踏まえたリハビリを紹介していきます!ぜひ引き続きご覧ください!
投稿日: 2021年08月22日
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